無料で楽しむ工場見学!体験してきました

暖かくなる春はお出かけもしやすい季節になりました。お出かけで人気なのが無料で楽しめる工場見学。今回は見学に来られたお客様からも好評の、丸三綿業の工場見学を大公開いたします。

工場見学は平日の営業時間内で受付しています。事前に連絡が必要となりますのでご注意ください。

こちらが丸三綿業の入口です。

道沿いにある入口に看板があります。

工場前です。建物の左手に駐車場が設けられています。

事務所は2階です。入口手間の下駄箱でスリッパに履き替えて、いざ出発です。

ウールのわたができるまで

ふとん作りに欠かせないのが、ふとんの中に入っている”わた”。丸三綿業は全国でも珍しい、わたから布団を作っている工場です。こちらは原料の羊毛(ウール)。

からまった草がまだ残っています。野原をゴロゴロした羊さんの毛を、この緑色の槽で綺麗に洗います。

この槽には、原料の洗浄や、素材の良さを引き出す改質など、長年の研究から生み出された秘伝の技術があるそうです。

洗われた原料は羊毛工場へ運ばれます。羊毛を専門に扱う、丸三綿業で一番大きな工場です。ここでは、洗った羊毛の原料からふわふわのわたが作られていました。

最初は洗った羊毛の乾燥です。

温風を当てながら機械の中を通っていきます。

乾燥させた羊毛は繊維を軽くほぐした後、カードと呼ばれる製綿設備へ風の力でパイプを通って飛ばされます。丸三綿業のカードは梳毛(そもう)カードといって羊毛専用の設備です。

ほぐされた羊毛は左の機械で軽量され、均一に下のコンベアへ流されていきます。

ローラーの中を回りながら薄いわたが出てきました。

形を維持したまま、中で折り返しています。

折り返したわたは隣の機械の下を通過します。上から同じように作られたわたと合流しました!!

折り返して合流したことで、わたがタテヨコに重なるようになっていました。クロスにわたを重ねることで、わた切れがしにくい、長持ちするふとんわたに。

クロス成形されたわたは、形状を維持するために挟まれた状態で機械の上へと運ばれていきます。

上ったわたは、おふとんのサイズに合わせて何層にも重なりながら指定の重量に仕上がります。

ローラーの中を通って出てきたわたは、きれいなふとんわたになっていました。

羊毛の縮れ(クリンプ)を回復させる、スチーム&ドライを施します。

90℃の蒸気を当て急速に乾燥させることで、ふんわりとしてボリュームと弾力性がアップします。乾燥したわたが出てきました。

ふとん1枚のわたを作るときは、ここでカットをするそうです。今回作っていたのは長いわたでしたので、次の機械へ。

吸い込まれたわたが、機械を上っていきます。上ったわたがカートの中に入っていきます。

カートの足元が動き、わたを綺麗に重ねていきます。

羊毛を運んでいるコンベアの素材は桜の木。静電気が起きにくいということがわた作りには重要なポイントになっています。羊毛工場の中にはミストを出す機械が稼働しており、静電気が起こりにくくなるよう一定の湿度を保つ工夫がされていました。

テンセルのわたができるまで

テンセルわたが作られているのが南側にある小型の製綿工場です。原料がこちら。

真っ白な固まりです。まだふわふわ感はありません。このテンセルをトリートメント加工することで、なめらかで柔らかな手触りに改質されます。

テンセルのわた作りは、羊毛工場のわた作りを小型にしたものです。ほぐされたテンセル原料がパイプを通ってカード機に送られ、計量されたものが均等にコンベアを流れていきます。

ローラーの中を通って薄いわたが出てきました。

向こうが透けて見えるくらい薄いわたが上っていきます。上ったわたは、ふとんの幅に合わせて重ねられていきます。

重ねられたわたが層になっているのが分かります。

ローラーの中を通ってふとんわたが出てきました。

くるくると巻かれていきます。この工場の機械、なんとひとりで動かしているんです。職人の手際の良さが凄いです。

ベッドパッドができるまで

作られたわたは用途によって工場の中を運ばれていきます。こちらはベッドパッドを作っている機械です。カートに乗せられた長いわたはこちらで使用されています。

わたを生地と挟んでキルティングしています。200本近い針をセットできることから「多針」という名前のミシンです。このままだと長–いベッドパッド。

カットされたベッドパッドは2階の縫製工場へ。

四隅にゴムを付けた後、ヘムと呼ばれる縁を縫い付けていきます。最後は検品です。

最後に人の手で隅々まで検品をします。

ひとつの商品に多くの職人の手がかけられていました。様々なオーダーサイズにも対応ができる理由が分かりました。

1枚ずつ作るふとん

こちらはコンフォ-ターマシンという機械。

ミシンに動きをプログラムすることで、土台が動いてキルトを施していきます。

様々なサイズに対応できるのが特長。熟練の技が必要な機械のひとつです。縫う時にゆがまないよう、端がいくつものクリップで固定されています。

縫製がこの機械だけで終わるふとんもあるそうです。

枕のできるまで

枕に使われている粒わたはノップス工場で作られていました。

原料の羊毛を投入しています。ちょうど良い大きさのきれいな丸い粒わたを作るには、機械に2度通す必要があるそうです。

完成した粒わたがこちら。

この粒わたを人の手でバランスよく枕に詰めていきます。

詰め込むバランスに職人技が光ります。

側地1枚に込められた技術

丸三綿業で作られるふとんはやわらかな生地が多く、機械での裁断はゆがみやすいため人の手によって1枚ずつ切られています。

ふとんの側地も1枚1枚職人が丁寧に仕上げていました。

職人の技術が要求される難しい縫製です。

まとめ

ボリュームたっぷりの工場見学を無料で見ることができました。かかった時間はおよそ30分。近くの学校からの職場体験や工場見学も受け入れをしているため、説明も分かりやすく、スムーズに工場全体をまわることができました。普段目にする機会のない大きな設備は圧巻です。新生活でふとんのお探しの方、春のふとんをお探しの方はぜひ一度のぞいてみてください。

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