シルクふとんの話 -本当の上質って-

新しいシルクふとんの紹介をさせていただきます。

まず従来のシルクふとんのわたは、手引き真綿と呼ばれるもので、ごく簡単に説明しますと、小さなわたをふとんのサイズに広げ、何百枚と重ねていくという、気の遠くなるような手法で作られるものです。この手法は何しろ手間がかかり、日本の職人さんが日本産の繭を手引きしたら、ン十万という価格になってしまいます。

そんな訳で今は中国製の物や中国繭を日本で手引きした物が多く出回っています。また、いくら軽いシルクでも数百も重ねると、ペタンとした風合いになってしまいます。

「しかし、中国製の商品や中国原料の商品を日本の伝統技みたいに販売するのは如何なものか?」「日本の高品質な繭を使って、リーズナブルに、かつ従来の真綿より使い心地よいそんなシルクふとんが出来ないものか?」

ヒントは着物や絹織物の原料である生糸(きいと)の作り方にありました。

手引きや重ね合わせではなく、千粒以上もの繭糸を一気に巻き取って横方向に伸ばすという大胆な手法です。この方法だと、長いシルクの繊維を切断することなく丸ごとわたにでき、ふわっふわっの風合いに仕上がります。

(もちろん、ここには企業秘密が沢山含まれてますが…)

もうひとつ、通常真綿ふとんなどに使われる繭は、国産繭であっても、生糸に適さない玉繭(一粒の繭の中に2匹の蛹が一緒になっていて、糸質が不均一)や、一般にくず繭と呼ばれるような低品質繭が多く含まれています。が、私達が原料に使用する繭は「ぐんま200」という品種の本繭。これは一般の寝具メーカーが簡単に入手できる原料ではありません。実際、とある業界の方から「ぐんま200」をどこから手に入れたのかと訝られたほどです。

こんな原料を、ふとんのワタに使用すると言う発想もかなりもったいない話です。しかし、私たちの長繊維シルクわた(シルクフィルと呼びます)を作るには、均質な本繭でなくてはいけないのです。

シルク本来の特徴に加えて

  • ふわふわでヘタリも少ない
  • かさ高があり非常に暖かい
  • 軽くフィット感抜群
  • 通気性の良い生地を使っても吹き出しがほとんど無い
  • 洗濯もできる
  • 高級な原料を使いながらも、従来の大変な手作業で作るふとんより遥かにリーズナブル

(それでも決して安価とはいえないのですが…)

そして、この製法とわたは2010年8月に特許を取得しました。

 

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